テーマ:短編集

僕は正しい。だから僕はこの人を殺す。

僕は正しい。僕は間違っていない。 あいつは今晩死ぬ。 自宅への近道になるこの階段は薄暗いから、足を踏み外して転落死したって不思議じゃない。 不思議じゃないんだ。大丈夫・・・・誰も疑ったりしないさ。 そうさ、大丈夫だ。誰も僕を裁いたりできないさ。例え神様でも。 だって・・・・あいつは、死ぬべき人間なんだから。 あい…
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愛しいような、憎いような。追記あり

『こんな関係はもうやめにしたい』 そう切り出した義理の息子を、俺は殴りつけていた。 息子は体勢を崩すと背後のベットに崩れ落ちた。俺は、息子に馬乗りになってその細い肩を両手で押さえつけてベットのシーツに沈ませる。息子は「痛い」と小さく呟いて顔を歪ませた。 「こんな関係はやめにしたいって?お前分かってないな。別れを切り出せるのは、…
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今日、なんか急に落ち着かん気分になってんけど・・・お前が傍におってくれるからよかった。

「今日、なんか俺・・妙に落ち着かん感じやってん」 俺がそう言うと、友人はそっと笑って頷いた。 『ん、そんなかんじやったな。落ち着きないなぁーーって思っててん。で、原因はなんなん?』 友人が優しい眼差しでそう聞いてきた。 俺は友人から視線を逸らせて、青空を見上げた。気持ちがいいほど澄んだ青色をしている。頭上に広がる青い空を見上げた…
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あかん、どないしよ。めっちゃ好きや。

あかん、どないしたらいいのん? めっちゃ好きや。うわぁ、まじあかんやろ。 男の俺が、同性の親友の事が好きやなんて絶対あかんやん。 ホモか俺は?? しかも、お前って妻子持ちやし。絶対あかん・・・・あかんねんけど。 まじ、お前の一挙一動を目で追ってもうてるし。 うわぁ。 お前がお酒飲んで目がとろんってしてるとこなんか・・・…
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駄目兄 兄弟SS5

「え、嘘やろ。桜子がそう言ったんか・・・・もう許してるって?」 兄さんがぽかんとした顔で、僕を見つめてそう呟いた。食べかけのお好み焼きが、お箸からぽろりと落ちた事に兄さんはまるで気が付いていない。僕はそんな兄さんを軽く無視しつつ、鉄板の上で程よく焼けたお好み焼きをへらで切り分ける。 「鶴橋風月」のお好み焼きが食べたいと突然言い出…
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駄目兄 兄弟SS④

三日目の夜。 僕のベットの横の床に敷いた布団の中で、兄さんはぶつぶつと文句を言っていた。僕はベットにもぐりこんだまま黙って兄さんの愚痴を聞き流していた。 「・・・・・・」 「あかん、きつい。さすがに三日も連続で床で眠るのはきつい。腰は痛いし、なんか寒いし。くそぉーー桜子の温かい体が恋しい。ああ・・俺は不幸や。世界一の不幸者…
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BL風童話・・・・「うさぎと亀」の話 追記アリ

何時ものようにうさぎ君と僕は駆けっこをした後、草原の丘のてっぺんに座って休憩することにした。心地よい風が、草の香りを連れてくる。うさぎ君の純白の綺麗な毛がふわりと青い香りの風に揺れる。僕はその様子をそっと見つめていた。 不意にうさぎ君が口をひらいた。 「なあ、亀さん・・・・なんで、君はそんなに長生きするんや?」 うさぎ君が…
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駄目兄 兄弟SS③・・・と、我が家の坊ちゃんのお話(笑)

「なあ、響。俺は、色んなことに折り合いつけて真面目に人生歩むってのができひんみたいや。自分でも情けないわ・・・ほんまにそう思っているねんで。・・・・どうやって生きていったらいいのかって何時も考えてるんや。でも、答えが出えへん。」 兄さんが僕の胸に顔を埋めたままそう呟いた。その声は少し震えているように思えた。僕は返事に困って黙り込ん…
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捨て去る人 親子のSSです。暗い・・・内容が。

もううんざりだ。 すべてを消し去りたい。 15年生きてきて出せた答えがこれしかないなんて、本当に僕は頭が悪い。 そう・・・僕は頭が悪い。 なのに周りの人間はそれを認めようとしない。『お前はできる子だ』と僕に言い続ける。僕の失敗を見てその目に失望の色を浮かべるくせに、その口から吐き出す言葉は何時も同じ。 『頑張れ』 …
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駄目兄 兄弟SS②

「おー、美味い。やっぱり、響の作ったカレーは最高や!!」 兄さんが妙に嬉しそうな表情を浮かべてカレーを食べるので、僕は思わず照れ笑いを浮かべそうになった。 危なかった・・・・また誤魔化されるところだった。 「兄さん、誤魔化しても駄目だよ。彼方兄さん・・・何時まで僕の家に居座るつもり?もう三日目なんだけど」 「もう三日やないや…
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駄目兄さんに萌えてみました。 兄弟SS①

「おー、響(ひびき)。久しぶり・・・ちゅうか、一ヶ月ぶりやな。それで・・まあ、あれや。金貸して」 玄関の扉を開くと、いつもの軽薄な笑顔を浮かべた兄さんが目の前に立っていた。開口一番の金の無心に、僕は怒りを通り越して呆れてしまった。 「兄さん、そういうことは僕への借金を返してから頼みなよ。じゃあね」 僕はそれだけ言うと、玄関の扉…
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「だから殺した」ブラック思考の短編です

「だから殺した」 刑事さんは見たことありますか? 人間が壊れていく様子を? 私は毎日見ていたんですよ。 私を産んでくれた母が・・・大好きだった母が壊れていく様子を、私は毎日見ていたんです。 え? 大好きならどうして殺したのかって? どうして? ・・自分でもよくわからないんです。でも、確かに愛情が憎悪に…
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「一人きりで」ブラック思考の短編です

「一人きりで」 三年かかった。 この場所に来るのに、三年かかってしまった。 ううん、三年しか経っていないって言うべきなのかな? あの子が死んで三年。 このマンションの六階から身を投げて死んでしまった。 それが三年前。 あの子は何を思ってマンションから飛び降りたの? 今でも分からない。 …
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