BL風童話・・・・「うさぎと亀」の話 追記アリ

何時ものようにうさぎ君と僕は駆けっこをした後、草原の丘のてっぺんに座って休憩することにした。心地よい風が、草の香りを連れてくる。うさぎ君の純白の綺麗な毛がふわりと青い香りの風に揺れる。僕はその様子をそっと見つめていた。
不意にうさぎ君が口をひらいた。

「なあ、亀さん・・・・なんで、君はそんなに長生きするんや?」

うさぎ君がそう聞いてきたので、僕はちょっと首をかしげて口を開いた。

「なんで長生きするか?さあ、どうしてだろう。そんな事、考えたこともなかったよ」
「そうなん?普通考えるもんやと思うけどなあ・・・・まあ、君ってナイーブってタイプじゃないか。汚い池とかでも平気で暮らしてるもんなあ。」
うさぎ君がそう言って顔を顰める。僕はうさぎくんの言った嫌味を軽く流して口を開いた。
「うさぎ君は、綺麗好きだものね。それに、ちょっと神経質で寂しがりやだね」

「まあ・・・神経質ってところは認めるわ。でも別に寂しがりやとは違うで。あ、ひょっとして亀さん・・・・うさぎは寂しくするとストレスで死ぬとかって噂を信じてるんとちがうやろうな?」
「その噂、よく聞くよ。違うの?」
「違う、違う。そう簡単に死んで堪るかいなぁーー」

うさぎ君はちょっと怒ったようにそう言う。そして、不意に僕の顔を見て真顔になった。

「なあ、亀さん。俺がめっちゃ長生きしても・・・・きっと君より先に死んでいくんやろうなあ?・・・俺が死んだら悲しいか?」

あまりにも真剣な様子のうさぎ君に僕はどきりとした。僕は戸惑いながらも口を開く。

「もちろん、悲しいよ。」
「そう・・・それでも、何時かは悲しみも癒えて俺の事なんか忘れていくんやろうなあ。」
「そんなことはないよ。僕がうさぎ君の事を忘れるわけがないだろ?この草原で駆けっこをした思い出が消え去ることなんてありえないよ。」
「本当に・・・亀君、俺の事忘れへんでいてくれる?」
「忘れないよ。だって、君は僕の大切な・・・・」
僕はそこで言葉を飲み込んだ。うさぎ君がじっと僕の顔を見つめ、そして口を開く。

「大切な・・・何?」

僕は迷った末に、ありきたりな言葉を選んだ。

「大切な友達だよ」

僕の言葉にうさぎ君は少し落胆したような表情を浮かべた。そして、不意にうさぎ君が僕に顔を近づける。うさぎ君の唇が僕の唇と重なり合っていた。僕はびっくりして、うさぎ君から離れようとしたけどそのまま彼に抱き寄せられてしまった。柔らかい草原にゆっくりと組み敷かれる。
唇が離れていく。うさぎ君は、少し泣きそうな顔をしていた。

その時きつい風が草原を吹きぬけた。
さわさわと草の擦れ合う音が、うさぎくんの言葉をかき消す。

『歩みののろい亀さんは、鈍くもあるんやな。なあ、このキスで・・・俺の気持ちは少しは分かった?』
『え・・うさぎ君・・・・聞こえないよ?』
うさぎ君の顔が、もう一度僕の顔に近づく。そしてそっと僕の首筋にキスを落とした。
『あっ・・』
僕は思わず声を漏らしていた。

『亀さん・・・・・好きや』
『なに・・・だから、聞こえないって』
『亀さんの事が・・・・好きや。もっと・・・ずっと一緒におりたい。先に死んでまうなんて、いやや。』
『・・・?』
『でも、無理やねんな。それが・・・運命って奴やもんなぁ。・・・・・でも、なんかすごい寂しい。俺、すごい寂しいねん』
うさぎ君が震えたので、僕は思わず彼を抱きしめていた。

草原の草が風に吹かれて大きく揺れる。青々とした草の香りが僕たちを包み込む中、うさぎ君が何かを呟いたけど風の音が言葉をかき消してしまった。僕の耳に届かなかったうさぎ君の言葉が草原の風に運ばれ青空の彼方へと飛んでいてってしまった。


青空の彼方で、うさぎ君の言葉がふわりと綻ぶ。


『亀さんのこと・・・好きになんか、ならへんかったらよかった。ねえ、亀さん・・あの噂、ほんまは真実なんやで。うさぎは寂しすぎると死んでまうねん。だから・・・・たぶん、俺・・・もうすぐ、死ぬと思う。寂しいから・・・片思いの相手の君が傍にいればいるほど寂しくて堪らんから。』


青空の彼方の言葉は、僕には聞こえない。
ううん・・・本当は、聞きたくなかったのかもしれない。
僕は、うさぎ君を受け入れることなんてできないから。うさぎ君には、分かるだろうか?

愛し合った後に・・・・残される者の悲しみが、その恐ろしさが。

僕には耐えられないから。僕はあまりにも長く生きてしまうから。
だから、聞こえなかったことにする。うさぎ君のくれたキスも友情のキスだと想うことにする。だって僕はね、うさぎ君・・・・君が想うよりもずっとずっと残酷な生き物なんだ。


「なんて言ったの・・・うさぎ君。風の音で全然聞こえなかったよ。それに・・なんだよ、今のキス??」
僕の言葉にうさぎ君がそっと笑った。
「そう、よかった・・・つまんない事なんだよ。聞こえなくてよかったよ」
うさぎ君はそう言うと僕から身を離した。そして、ちょっとおどけた表情で笑った。

「キスしたときの亀さんの顔って、かなり笑えたな。慌てちゃってさあ・・・あのな、うさぎの世界ではキスは挨拶ぐらいの意味しかないねんから勘違いせんといてな。」

僕も微笑み返した。
「あー、びっくりした。あれって挨拶だったんだ。うさぎの世界と、亀の世界はやっぱり違うんだね」

うさぎ君はもう黙って微笑むだけだった。
少し悲しい笑みだった。


僕たちの間を草原の風が吹き抜けていった。
僕たちはそっと、風の行き先を目で追っていた。



*******


うさぎくんが死んだ。
僕は泣いた。涙が枯れるくらいに泣いた。
胸の痛みに、ようやく自分の気持ちに気が付いた。僕はうさぎくんが大好きだった。愛していた・・・・きっとそう。
涙は後悔の色をしていた。

僕はうさぎ君と愛し合いたかった。


「なあ、亀さん・・・・なんで、君はそんなに長生きするんや?」

うさぎくんの言葉が脳裏に蘇る。
僕は呟いていた。

「分からないよーーー、うさぎくん分からないよーーーーーそんなこと。」

だって、これが運命だから。僕たちの運命だから。



(おわり)

*******



うーーむ、救いがないかしら。

私の萌えポイントのひとつが悲劇なので。
でも、小説を読んだ読者の方から「救いがなさすぎる」とのご指摘を度々いただき少しづつラストに救いが見えるように作風を変えているところなのですが・・・・

でもやっぱり、悲劇が好きうふっ・・萌えは人それぞれってことで。
許してくださいねーーーー。

それにしても・・・・
最初は三人称で書こうと思ったけど、断念。ううっ・・私ってば、一人称しか書けないみたい。もっと、三人称も書けるように練習したいです。でも難しい。もっと本を読まないとね。でも、三人称の作品よりやっぱり一人称の作品が好きだなぁ。。


さてさて、話は変わって読んだ漫画の紹介。

エリアの騎士の最新刊

十四巻を買いました!!↓(以下、ネタばれありです。ご注意ください)








今回は主人公の駆くんのお兄さん、傑さんが大活躍!!
弟の体に移植された傑兄さんの心臓が、弟のピンチになると目覚めます。二重人格のようになって天才的なサッカーテクで周囲を驚かせる。。兄さんの存在をすぐ傍に感じて心強く思う弟。

「今オレは兄ちゃんと一緒にピッチを駆けているんだ・・・・!!」

でも、二人の関係はちょっと危うい感じになってきました
弟の体を乗っ取るつもりかよとはらはらなシーンも・・・でもそれも楽しい。兄弟萌で傑兄さん好きの私は嬉しくなっちゃったけどね。

とにかく、この作品は私の萌心を刺激しまくるのです。

とにかく、美形が多い

はううう。堪りません。カップリングが自由自在。
主人公総受け・・・あると思います。

ああ・・・「エリアの騎士」の同人読みたいわん

他にも読みたい漫画がいっぱいあるんですけどね。
デトロイト・メタル・シティ も読みたいし

デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))
白泉社
若杉 公徳

ユーザレビュー:
まったくcoolじゃ ...
たまにはこういう作品 ...
星5つの人は音楽を聴 ...
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「神の雫」もまだ三巻目までしか読んでないし・・・・



神の雫 (4) (モーニングKC (1477))
講談社
亜樹 直

ユーザレビュー:
こんなふうに味わって ...
まだまだ未成年ではあ ...
スカッとしますワイン ...
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ううう。
お金の湧いてくるお財布が欲しいよ

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